R-指定・Creepy Nutsのタレント化とラッパーの今後
2016/06/28
R-指定のメディア出演が止まらない。
一体、日本のHIPHOP業界にどういった変化が訪れているというのだ?
ULITMATE MC BATTLE GROUND CHAMPIONSHIPにおいて
3年連続チャンピョンに輝いた実績を持つ彼の次の展開はどうなっていくのだろうか?
そして、R-指定は世間でどのような位置づけとされているのだろうか?
R-指定はMCバトルを変えた
R-指定は紛れもなくMCバトルの王者であることは確かだ。
3年連続優勝しているんだからね。
アーネストホースでさえ、4大会で優勝しているけど、連覇は達成していない。
そして、R-指定が優勝するということで、バトルシーンに革命をもたらしたことは言うまでもない。
具体的には、ラッパーの概念を覆した。
HIPHOPという言葉に対するイメージは、一般的に「悪そうな奴は大体友達」だ。
この影響力はデカい。
ZEEBRAのパンチラインのおかげで、HIPHOPがお茶の間に馴染むようになった。
しかし、「悪そうな奴は大体友達」のイメージのまま馴染んでいるだろう。
私は、それって少し情報に鈍すぎない?って思う。
だって、これだけ情報過多の時代において、なぜその分野だけがあの時の思考のままなのだろうか?
言っておくけど、「悪そうな奴は大体友達」って1999年だよ?
何年経ってると思ってんの!?
ドラえもんの声を大山のぶ代さんで真似してるようなもんだぞ!
ただ、世間のイメージがそうであっても別に構わない。
正直それから数年間でシーンは大きく変わっていったけど、未だに悪そうな奴はいると言えばいる。
MCバトルもそういったラッパーが幅を利かせていたことは間違いない。
その草分け的な人物がR-指定だった。
R-指定というのは、それまでのギャングスターラップとは違うなにかを持っていた。
最初に頭角を現したのは、ULTIMATE MC BATTLEの大阪予選だと思う。
まず、彼が10代で初めて大阪代表として選ばれたこと。
この若さで大阪(激戦区)の代表になれたというのが、後のキッズたちに多大な影響を与えていく。
次に、R-指定は今までのラッパーに不足がちであったアンサーとエンターテイメント性が優れているということ。
MCバトルは基本、
「俺がすごい」
「俺が一番」
「お前はザコ」
「お前は俺に勝てない」
と言った自己主張を否定して、また自己主張して否定してといった流れだ。(おおざっぱに言えば)
その中で、自己主張しかないラッパーはめちゃくちゃいる。というか、バトルはそのスタンスが無いとハートで負ける。だから、間違いではない。
問題は、ラッパーとオーディエンスに温度差が生じている事があるということ。
このMCバトルっていうのは観客の声量で判定が決まる。
つまり、オーディエンスの心をつかんだ方が勝つ。
どれだけのエネルギーをぶつけても客観的に観て、
的が外れたことばかり言っていれば、結局はシラケる。
だから、自己主張だけしていてもしょうがない。ただの自慢話を聞いているのと同じだからだ。
お客さんは、ラッパーの自己主張だけが聞きたいわけではない。
自己主張を素人が見てもこいつヤバいと思わせなきゃ、一つ上には行けないだろう。
「そんなの関係ねぇ!俺は俺のやり方で行くぜ!」
それはそれで構わない。自由にやるのがバトルだから。
結局なにが正しいということはないんだけど、
突き詰めていくと私は、
MCバトルはビートの上に言葉を乗せた韻を踏む喧嘩だと思っている。
R-指定はそれを存分に楽しむことが出来る。
情熱+ユーモア とでも言えばいいだろうか?
「お前、それは違うぞ」
「俺はこう考えている」
「何故ならこうあるべきだからだ」
「例えるならこうだ」
「だとしたら、お前はどうなの?」
「そんなんじゃ俺には勝てない」
という文章が1バースの中でしっかりとアンサーされている。
玄人の耳に対するライムと素人の耳に対するメタファーのどちらも魅了している。
だから強いのだ。
R-指定はラッパー界の松本人志なのかもしれない。
タレント化していくR-指定 メディア出演はまだまだ増える
現在、R-指定はバトルから一線を引いている。
これからは、アーティスト活動がメインになるだろう。
そう思っていた。
けど、ナンダ!?
すげーテレビ出てないか?
いや、これは時代が変わったのだ。
日本のバラエティー番組において、ラッパーってそこまで使われることはなかった。
だってHIPHOPって本来アンダーグラウンドなポジションにいるべき存在じゃないですか。
しかしなんだ!?その真髄でもあるMCバトルが民放で放送されている状態だ。
どうなっているのだ!?
これも恐らく、「悪そうな奴は大体友達」っぽいやつじゃないやつが認められるようになってきたことにある。
HIPHOPにおいてじゃない方が勢力を増しているのだ。
バラエティー番組ではそっちのほうが使いやすいのは言うまでもない。
R-指定はそこをクリアしている。
テレビに出しても馴染むのだ。
正直、今のR-指定を観ているとなんかしらのコメンテーターとか出来るんじゃないかと思ってくる。
素人目から見てもそう思うわけだから、テレビ局の人間は使いたがるのは確かだ。
HIPHOPブームの火付け役としては、Dragon AshのKjの再来かもしれない。
ただ、当時のKjよりもR-指定はメディアに対して
サービス精神が旺盛だし、腰も低い。そして、わかりやすく謙虚だ。
こんなラッパー今までいなかったじゃん!
現在、R-指定が出演したテレビ番組を観た後に、笑っていいとものテレフォンショッキングに出演した事があるZEEBRA、ラッパ我リヤの回を観ていただければ、どれだけR-指定がテレビ向きかわかると思う。
ラッパーのこれから
そうなると、ラッパーとはどうあるべきでどういう未来を描いていけばよいのか?
現在のラッパーの誰もがラップで食っていきたいと思っている。
しかし、現実はラップをするために働いている。
ラップで食っていくこと自体難しいのは当の本人達が一番分かっている。
今までは、ラッパーというのは音源を出してやっとHIPHOPのフィールドに立ち入ることが出来た。
ただ、音源を出した後はアーティスト活動をするだけなのが基本だ。
むしろ、テレビに出る=ワックMCみたいなところはあったけど、
R-指定があれだけテレビに出てる影響で、そっちの方向性もイケるという希望をもたらした。
R-指定には影響力がある。松本人志並みの影響力がある。
彼が、テレビという道を切り開いた今、そうなりたいとうキッズ達は増える。
しかし、いちラッパーがテレビに出るのは容易いことではない。
R-指定がその道を切り開いたからと言って、大会での実績もない人間が出てこれるほど甘くはない。
だから、まずは優勝することが大事なのではないだろうか?
そこからどうするかが重要なのだ。
これって、M1グランプリみたいじゃないか?
まさにお笑い芸人が賞レースで優勝したあとに、メディアに出まくる現象と似ていないだろうか?
私が思うに、音源出してアーティスト活動のみを行っていくラッパーもいるだろう。
しかし音楽活動以外も精力的にやっていきたいと思うラッパーも増えていくかもしれない、
ラッパーから政治家が生まれる時代だから可能性は全然ある。
R-指定が今後ラッパーとして、どこまで世間に踏み入れることが出来るかにもよるだろう。
もし仮に、彼が活躍する場がテレビなどで見る機会が増えてきたら、どいう言うことが起きるだろうか?
ちなみに今の高校生のラップ人気はすごい。
高校生ラップ選手権という番組が人気出るくらいだからね。
そしたら、自然とこういうものが出来上がると思うんだ。
それは、
ラッパー養成所学校の設立だ。
いや、割とマジで。
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